2月のはじめに日本に帰国しました。

 
周りの方々からは、「またすぐモンゴルに行くんですか?」とよく聞かれるのですが、私の留学期間は2年間という事だったので、これで一応おしまい。4月からは日本での生活に戻ります。長いようで短かった2年間。今は、なんだか浦島たろ子の気分です。
 
 
日本に帰国した直後はコンサートツアーのお手伝いがあったりでバタバタしていたけど、仕事も一段落して家で一人レポートを書いている今日この頃、色んなことを思い出しながら留学を振り返っています。本当に色々あったけど、みんな昨日のことのようです。
 
 
 
ウルギーでカザフ人家庭にて住み込み調査をはじめた当初は、モンゴル語がわかる人以外とのコミュニケーションがまるで取れなくて、結構悔しい想いをしたことが思い出されます。
 
 
 
特に、最初の3ヶ月は、本当にきつかった。相手が何を言っているのか理解できない。なんで笑っているのか、なんで怒っているのか、何を求めているのか、わからない。うまく言葉が出てこない。自分が言いたい事が相手に伝わらない。それが原因で、子どもに八つ当たりしたこともあったなぁ。同じ部屋に寝てた女の子と喧嘩になってしまったこともあったっけ。彼女には、一日中ずっと泣きながら「ごめんなさい」って謝った。夜にやっと誤解がとけた時、すごく嬉しかったのをはっきりと覚えてます。
 
 
 
今では、すっかり、国際電話までする仲になりました。あの頃は、想像もできなかったけど。

 
↑ホストファミリーと最後家を出て行く前に撮った写真。みんな元気かな。

 
言葉が通じるようになって、カザフ人とだんだん仲良くなっていった頃。
 
 
今度は、「調査」とか「研究」って何だろうって考えてたなぁ。ある研究者の言葉や行動に疑問を感じたこと。あるカザフ人に怒鳴られてショックを受けたこと。そして何より、それまでの自分の行動の在り方。
 
 
対象であるカザフ人のもつ目に近づきたいって思って行動しているつもりだったけど、自分がやっていることは実際どうなんだ???  相手のカザフ人を怒らせてまで、取らなくちゃいけない記録ってあるの?手伝ってって言われているのに、写真を撮る事の方が大事なの?信頼関係ってどうやって築くんだろう。私はちゃんと信頼関係を築けているのかな?私は私の希望ばかりをぶつけているのかな。相手に怒鳴られて悔しくて怒り返してしまった。これじゃ、何も生まれない。結局、私の目でしか、相手を見てなかったのかな。あの頃の悩みは、今も続いている解決しない悩みだったりします。
 
 
↑子どもにも、大人にも、本当にたくさんの人と出会いました。それぞれと、色んな思い出があるのです。
 
 
 
研究、研究ってそういうんじゃなくて!もう気取らなくていいから、バカなんだから、等身大でいいんだから、と思うようになったある頃から打ち込むようになった手芸の実践。指導を引き受けてくれた先生には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。手芸をしながら横で色んな話をしました。毎日、毎日、くだらないことも、たわいもないことも。その何でも無い会話の時間が、そして、おしゃべりしながら手芸に打ち込める時間が、私にとっては宝物でした。
 
 
 
↑手芸の先生とお孫さんたち。彼女も、出会えて良かった人の一人です。
 
 
と。
 
とりとめもなくぼーっと振り返っているのですが.....。
 
 
2年間を振り返ろうとすると、やっぱり印象深かったことばかりパッと思い出されるけど、それだけではなくて、もっともっと些細なこともこれから一つずつ思い出して整理していきたいと思います。
 
 
私は現地で沢山のことを学びました。沢山のことを人に教えてもらいました。その教えてもらった事を無駄にしない為にも、教えてくれた沢山の人たちに恩返しをするためにも、これからはその学んだ事をblogや展示などを通じてアウトプットしたり、更に深めていきたいなと思います。
 
 
というわけで、ケステblogはこれからも続きます。今後ともよろしくお願いいたします。