家畜

家畜 (5)

木, 07 8月 2014 13:18

子羊の毛刈り

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今回は、アルタイ滞在中に見たものをちょっと。
その日は子羊の毛刈りをする予定になっていました◎
風は少し吹いていたけど、天気はよく、そこまで寒くない日でした。
予定通り、毛刈りを決行するということでわくわく。
子羊の毛刈りは見たことなかったのでかなーり楽しみにしてました。
 
午前10時すぎ、朝の茶を飲んでちょっとのんびりしていたら、
もう川で子羊を洗い始めていると!うわぁ、はやく観に行かなきゃ!と川に向かってダッシュ。
 
 
おお!子羊を集め始めてる!
これから川で洗うらしい。
いったいどうやって洗うんだろう・・・。
 
子羊たちをうまく一か所に集めて一気に捕える!
しっかり狙って・・・狙った子羊は逃さない。半端ない瞬発力です。
 
 
さて、ここからどうやって洗うのかというと・・・
捕えられた子羊くんにご注目ください。
 
 
・・・これで洗っているのだそうです!
ヒツジは何がなんだかわからないといった様子で、必死に川からあがってきてました。
 
宙に放り投げられたヒツジはまるでヒツジではないかのように吹っ飛ぶ吹っ飛ぶ。
みなさんなるべく遠くにヒツジを飛ばそうとがんばってました。
 
 
 
 
作業初めて1時間半ほどがすぎたころ。およそ150頭すべてをぶん投げようやく洗いが終わりました。
ヒツジ1頭あたりも結構な重量で、さすがに人間も疲れてきたようでした。
お疲れ様です。
 
さて、このあとは、しばらく放置して毛を乾かします。
およそ3時間後、毛刈りがはじまりました。
 
 
1頭あたり約5分ほどでさくさく毛が刈られていきます。
散髪が終わった子羊くんはこんな感じ。
 
 
とぼとぼと小屋に戻っていきます。
疲れ果てたサラリーマンの後ろ姿のよう・・・まだ若いのに・・・。
 
刈られた毛は、数日後にフェルト作りに利用されます。
フェルトには子羊の毛じゃないとダメなんだそうです。
残念ながら、今回もフェルト作りは見れなかったのですが・・・・絶対、いつか、観に行く!
日, 01 7月 2012 04:12

やぎの搾乳

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さて、あっという間に1週間はすぎ、私はケンデバイ家を離れて、ババイ家にやってきました。(どういう経緯でそこに泊まる事になったのかは、「アルタイ村へ」をご覧下さい)
 
 
ババイさんは、クグルシンさんの12歳年下の弟さん。ババイさん一家は、アルタイ村の中心から、割と近いところに位置していました。
 
 
ババイ家には、子どもが二人。基本的に子どもが多い家庭をよく目にするカザフ社会では、珍しいな、と感じました。(ちなみに、サグサイ村でお世話になっているマナイ家の子どもは10人、ウルギー市でお世話になっているクグルシン家の子どもは7人。。。)
 
 
当然、労働力も少ないわけで、ババイ家ではケンデバイ家ではしなかったような仕事もお手伝いしました。そう、初めて、山羊の搾乳にチャレンジすることになったのです!
 
 
と、いうわけで、今回は「搾乳」についてお話したいと思います。
 
 
以前の記事でも少し触れましたが、この時期は、仔家畜の体力が十分ではないという理由と、乳製品を作るために沢山乳をとる必要があるという理由から、一日のうちの大部分は親家畜と仔家畜をわけて放牧に出します。夕方に一度親家畜を小屋に戻し、搾乳作業をして人間が利用する分の乳を搾乳した後に、親子一緒に再度放牧にだす、というサイクルです。
 
 
 
搾乳の時間になると、一家はもう大変なのです!搾乳する羊と山羊を捕まえて、縄で首をぐるぐる巻いて固定します。が、捕まえるところから大変。小屋の中とはいえ、じたばた逃げ出す羊や山羊を追いかけるのには、瞬発力と体力が必要です。。。
 
↓こちらは別の家庭にて撮影した写真ですが、結構子ども達は余裕の表情。(むしろ、楽しそう。笑)
 
 
 
ずらーーーーーーっと羊山羊を並べて、やっと全部縛り終えたかなという頃に、さぁ、こっからが女性たちの本番ですよ!端から一頭ずつせっせと搾乳するわけです!
 
↓搾乳中の女性。こんなにずらーーーっと並んだ羊山羊1頭1頭から乳を搾るのです。
 
 
 
 
ババイ家の女性は、奥さんのマイグルさんと娘のアイジャンのみ。女性二人で、羊31頭、山羊37頭を搾乳しなくてはいけないのです。
 
 
と、いうわけで、少しでも彼女達の負担を減らそう!と、私も搾乳に加わる事になりました。「左手でしっかり乳をにぎって、右手の人差し指と中指で絞るんだよ。簡単だよ」と、アイジャンは言うわけです。
 
 
 
んが
 
 
 
ぜんっっっっっっっっっっぜん簡単じゃないんですけど?!
 
 
 
えっ、出なーーーーい!なんで出ないーーーー??
 
 
 
しかも山羊の激しい抵抗に負けておずおずしてしまった自分。アイジャンは、すごい気迫で山羊の乳をがっちり掴んでバシバシ絞ってました。じぎじぎじぎじぎじぎじぎじぎじぎ....っと、山羊に声をかけながら、絞っていくわけです。
 
 
でも、ずっと絞ってると、今度は指が結構痛くなる。。。なんでこんながっつんがっつん絞れるんだ、アイジャンは?!
 
 
私は5歳の頃から搾乳してるよ
 
 
と、さらっと話すアイジャン。すげー。
 
 
 
アイジャンはテキパキちゃかちゃかと搾乳して、あっという間に入れ物(カザフ語でチェレックという)がいっぱいになるのに、私のはいつまで経っても満たされない。てか、私の場合、手が山羊の糞だらけになって衛生的に汚い。←
 
 
 
それでもなんとか1週間やって、なんとか1Lは絞れるようになりました。2時間しぼってたった1L。あ〜。全然役にたってないぞ〜。。。がっかりです。
 
 
 
一方のアイジャンとマイグルさんは、座りっぱなし絞りっぱなしで、1回2時間の搾乳で20Lの乳を搾ります!20Lって、こんなにいっぱい!!!!
 
 
 
やっと搾乳が終った頃にはさすがのアイジャンもマイグルさんもちょっとぐったり。結構な重労働なのです。寒くても暑くても毎日毎日絞らなくてはいけません。こうして絞られた乳を利用して、お茶に入れたり、乳製品をつくったりするんですね。
 
 
と、いうわけで、次回はそうやって絞られた乳から、一体どんな乳製品が出来るのか?自分で実際に作るところに立ち会ったものを中心に紹介していきたいと思います。
金, 29 6月 2012 04:22

夏営地に行く前に

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今回もケンデバイ家で見た事について。
夏営地に移る前のこの時期に、いくつかやらなければならない大切なことがあります。
今回はそれらについてご紹介したいと思います。
 
 
ひとつは、「山羊の毛刈り」です。
 

カザフ語で、櫛で梳かすことを、「Tara-」といいます。山羊の毛を櫛で梳かすことで、毛を刈るのです。
 
まず、毛を刈る山羊を捕まえます。
山羊の前足と後ろ足を交互に交差させながら、縄でしっかりと結び固定します。
当然、山羊はもうびっくりして、バタバタと抵抗するのですが....
その必死な山羊を見てるのが本当に面白い!!!笑
 

メェーーーーーーー!!!(訳: やめてーーーーーーー!!!)
 
 
メェーーーーーーーーーーーー!!!(訳: 離してーーーーーーーー!!!!)
 
 
 
メェーーーーーーーーーーーーーー!!! (もはや訳せない)
 
 
 
縛られて横たわっている山羊(めす)の乳をちゃっかり飲みにくる仔山羊ちゃんもいましたが。笑
 
 

一頭を二人掛かりでやって、20~30分くらいでしょうか。
解放されたときの山羊のほっとした様子がまた面白い。笑
 
 
自分も実際にやってみたのですが、それほど難しい作業ではありません。ですが、やはり、ケンデバイさんの梳かし方と自分の梳かし方は全然違います。私は、ついつい力を入れて引っ張ってしまったのですが、ケンデバイさんは力づくではなく、でも確実に丁寧に梳かしてました。
 
 
こうして、梳かされ刈られた山羊の毛が、市場で売り買いされ、加工され、冬に我々の手元に届くというわけですね。^^ 牧民さんたちの大事な経済資源というわけです。(ただし、今年は取引先である中国の経済状況に影響されてか、取引価格が例年と比べて暴落してしまい、牧民さん達もだいぶ厳しい様子でした。今年は1kg=45,000tg/約3,000円程度)
 

ちなみに、この作業は、ウランバートルの隣に位置しているトゥブ県のモンゴル人家庭では、4月5月頃に行われていました。しかし、バヤンウルギー県はトゥブ県より平均気温が低いため、山羊の状態を考え、温かくなってきたこの時期に毛を刈るんだそうです。
 
 
 
さて、もうひとつの大事な作業、それは「去勢」です。
 
 
去勢することを、カザフ語では「pic-」と言います。
今年産まれた子羊と子やぎの去勢をするのです。
 
 
2〜3人掛かりで行う作業です。子羊、子やぎを捕まえてひとりが前足をしっかり握り、もうひとりがナイフで皮をちょいと切り裂いて、中にある睾丸をぶちっと手で取り出します。もう、ぶちっと。
 
 
どうしようかなぁと悩んだんですが、ここではあんまりショッキングではない写真を公開しておこうかと思います。
 
 
睾丸はそれほど大きくなく、手のひらよりも小さいくらいです。取り出されたものは、別に食されたりすることもなく、そのまま廃棄されてしまいました。ぽいっとね。
 
 
子羊は、あんまりギャーギャー騒がず、どっちかというとびくびく震えてるだけでしたが、子やぎは、もうわめくは叫ぶは暴れるはで大変でした。でも、去勢後は、子羊も子やぎもシーーーーンと静かになってました。。。おいばやーーーい。。。
 
 
 
「毛刈り」、「去勢」とおこなって、さらにもうひとつ。
「カイーの整理」もしなくてはいけません。
 
 
 

これは、カザフ語では、カイー(kii)と呼ばれています。


羊や山羊の糞と尿が土と混ざりあって柔らかくなり、のちに固まったものです。用途は様々ですが、例えば燃料として燃やしたり、冬期に防寒対策として家畜の小屋の中に敷かれたりします。辞書などを見ると、肥料、こやし、なんて書かれ方をしています。
↓冬の小屋の中。カイーがずらっと並べられている。
 

ケンデバイさんのところのような田舎には、勿論沢山のカイーがあるわけですが、例えば、村で家畜を飼育している家庭は秋頃にこのカイーを購入して手にいれるのです。彼のところも、勿論販売しているわけで、5tg=約100,000〜120,000tg/約6,700〜8,000円で販売しているとのことでした。こういったものも、牧民さんの大事な収入源になるわけです。
 
 
というわけで、夏営地に行く前に、自分たちの小屋にある糞の掃除をしたり、去年小屋に敷いたカイーを外に運び出して整理するわけです。これがまた結構な重労働なのです。しめっぽいし、かびくさいし、重いし、腰にくるし。運ぶ作業がおわったあと、子どもたちはへとへとでした。
 
 
と、いうわけで、こういったやらねばならないことを済ませてから、やっと移動準備!となるわけですね。いやぁ、ホント、毎日毎日、いろんな仕事があるのです。。。
水, 27 6月 2012 10:02

新しい命

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ケンデバイ家で滞在してた時のお話。
その日は、朝から空模様があまりよくありませんでした。
 
 
夕方17:00頃は羊&ヤギの搾乳の時間。いつものように家畜が放牧から戻ってきたので、いつものように搾乳する山羊と羊を一頭ずつ捕まえていくのですが、この日は群れの中に一頭様子がおかしい山羊が。。。
 
 
ん?
 
 
 
え!おいばやーーーーーい!!!(驚)
 
 
 
後ろから足が出てる!!!
 
 
 
う!
 
 
うまれる!!!!
 
 
 
びっくりして棒立ちしてると、すっと横からケンデバイさん登場。
山羊を見るや否や、出てる足をぐっと掴んで!
 
 
 
ちむちむちむちむちむちむちむちむちむちむちむちむちむ..........
 
 
 
ちむちむ言いながら引っ張る!めっちゃぐいぐい引っ張る!
 
 
でも、すぐ出てくるのかな?と思ったら、なかなか出てこない。
母山羊の悲痛な叫びがなんとも言えず.....
 
 
 
ううーーー。
 
 
がんばれーーーーー!!!!><
 
 
 
なかなか産まれない子やぎ。足だけ出てる様子を見てると、なんだかとても心配になってくる。大丈夫なのかな。ちゃんと産まれてくるのかな。おなかの中でちゃんと生きてるのかな。。。
 
 
引っ張ってはみたものの、まだ産まれないだろうとのケンデバイさんの判断から、放置しておくことに。ケンデバイさんは家に戻って昼寝。余裕だぁ。。。
 
 
私はというと、特になにも出来ないけど、何となく母ヤギと一緒にいました。
 
 
その日はすごく冷たい雨が降ってて、そんな中で母ヤギはホントに苦しそうで、じたばたじたばたぐるぐるぐるぐる動き回ってました。
 
 
ああ、無事にうまれてほしい。。。と、一緒に付き添うこと1時間。ですが、情けないことに、遂に自分が寒さに耐えきれなくなり、雨具を撮りに一瞬家に戻りました。
 
 
小屋に戻ると、なななんと、母山羊がいない!!!
え、どこ行ったの?!
 
 
と、小屋の隅に目をやると、あ!いた!
 
 
あ!
 
 
 
う、うまれた!!!!!!!!
 
 
 
 
よよよ、よかったーーーー(感激)
 
 
 
母親はとても穏やかに座ってました。相当痛かったんだと思います。産まれたばかりの子やぎは、ふるふるしながらも、めぇーーーーーっと力強く鳴きました。人間の赤ちゃんと同じように、鳴きました。
 
 
 
 
ちょうどその頃、雨もやみ、産まれたばかりの子やぎは、くたっと、地面にねそべってました。すぐに親から取り上げる事はせず、そのまま暫く置いてから、子どもだけ親から引き離し、温かいところに連れて行きました。
 
 
 
 
炉のところに連れてきたときは、めぇーめぇー!と泣きわめいていた子やぎも、炉の横にくると、ぽかぽか気持ちよかったのか、すーすーと寝てしまいました。かわいい。。。
 
 
 
翌日
 
 
ハイハイしながら(前足がまだしっかり立たない)母やぎのところに寄り添う子やぎ。お母さんの乳を求めて、めぇめぇと鳴いてました。ちっこい。。。
 
3日後には、自分でたてるようになってました。すくすく元気に育っていく様子が見れて嬉しいです。今頃、ぴょんぴょん外をあちこちを駆け回っているかなぁ。
 
 
土, 19 5月 2012 05:46

仔家畜の洗濯

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こちらも、サグサイ滞在中の話しです。
 
 
とっても天気のよかったある日のこと。
ふらふらっと辺を散策してマナイ家に戻ると、お母さんが
 
 
「隣の家に行ってきな!アゲリケ(長女)と一緒に~~~~子羊を~~~~」
 
 
~~~~は、はやくて何を言ってるのかよく聞き取れなかった部分。
でも直感的に何かおもしろいイベントが始まるに違いない!!!!!!
と、察しました。
 
 
と、いうわけで、一眼レフもってダッシュ!!!!
 
 
柵の中をのぞいてみると、小さな家畜達と、アゲリケ、そして隣の家の若夫婦。
若旦那の足もとには、一個の大きな入れ物が。
その中には、水と、
洗剤みたいな薬みたいなものを入れたのか、
ちょっと泡立ってる。
 
 
「これから、家畜を洗う!!!」
 
 
おおおおお!!!
 
 
仔家畜の皮膚やら毛にくっついたダニなど害虫を退治するために、
ごっしごっし洗うという。
 
 
これが本当に見てておもしろかった。
うまく伝えられないので、写真をご覧いただきたいのですが....
 
 
兄さん「よーし、大人しくしろ」
山羊「あ!やめて!」
 
 
山羊「やめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ(必死)」
 
 
山羊「めぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ(必死)」
 
 
 
こんな感じに悲痛な叫びが永遠に続く。
隣の家の兄さんはやれやれって感じ。
 
 
 
こんなかんじに絞られ
こんな感じに干され
 
 
極めつけはこいつだった
 
 
仔家畜「あーーーーーーーーーーーー」
 
仔家畜「あーーーーーーーーーーーー」←最早ホラー
 
 
ばーーーーーーん
 
 
片目がいっちゃってるーーーーー
 
 
さて、そんな洗濯作業も最初はたのしかったけど、
2時間ぶっ通しでやってると、洗ってる方は疲れてきます。
水にいれて、抵抗されて、ごしごしして、しごいて、抵抗されて。
 
 
大きな家畜は注射で済ませるという。
そりゃそうだよねぇ、こんなん全部やってたら疲れるよねぇ。
ちょろちょろ逃げ回る家畜を捕まえるのも一苦労。
 
 
 
こちらキレイキレイされた仔家畜ちゃんたち
 
 
兄さん、姉さん、本当にお疲れさまでした。。。