更新がしばらくぶりになってしまいましたが...
 
 
ケステ管理人は現在、事情があってウルギーをしばし離れ、ウランバートルにいます。ウランバートルは、ウルギーよりも寒くてびっくりしています。ウランバートルの大気汚染は今年も深刻なようで...夕方になると町中煙でもくもくしてます。わたしはちょっと町を歩いただけで、喉をやられてしまいました。げほげほ。こうしてウランバートルにいると、ウルギーがとても遠く感じます。うーん、はやく戻りたい。そんな近況です。
 
 
さて今回は、東京で行われる展示会について、ご紹介したいと思います。
 
 
東京外国語大学のモンゴル大好き!!な学生さん達が集まって活動しているサークル「もこもこもんごる」が、今週末、同大学の文化祭にて展示会を行うそうです。テーマは、「モンゴルのカザフとタイガ」
 
 
本人達が現地に行って撮影してきた写真や、現地で収集した彫刻作品などを、解説つきで展示するとのことです。私がウルギーで撮影した写真も、すこし置いて下さるとか。わーい。お時間ある方、ぜひお立寄りください。
 
 
展示会詳細はこちら
↓↓↓
第90回東京外国語大学外語祭
もこもこもんごる展示会
「モンゴルのカザフとタイガ」
日時: 11月23日(金•祝日)〜25日(日)9:00~17:00
場所:東京外国語大学 講義棟 209教室
 

ちなみに当日は、物品販売も行うそうで、モンゴルのフェルト小物やカザフの刺繍小物などがあるそうです。カザフの刺繍小物は、先日の「イヌワシ祭り」の際に購入したもので、ウルギーからお届けしました。かばんやポーチなど、どれも一点ものばかりですよ!




それからもうひとつ、ちょこっと本の紹介です。

先日、誠文堂新光社から出版されたばかりの『アジアのかわいい刺繍』という本の中で、モンゴルに住むカザフ族の刺繍について、紹介されています。





様々なパターンの刺繍布の写真が載っていたり、移動式住居ウイの中の様子が載っていたり。
ちなみに、カザフ刺繍だけではなく、インドやパキスタン、中国やタイ、ウズベキスタン、イランなどなど、アジアの色んな刺繍が紹介されています。


刺繍.....自分でやってみるとなかなか上達しないけど....でもやっぱり見ているのは好き。一針ひとはり、丁寧に縫われた刺繍をみると、ため息が出てしまいそうになります。うっとり。


モンゴルに住むカザフ族の刺繍小物は、最近いろいろなところで注目されはじめているようで、他にも刺繍文化の紹介本などでちょこちょこ取り上げられています。むむむ、来るかカザフブーム!? 


そんな、宣伝&紹介でした^^

日, 03 1月 2016 00:34

この先は通せんぼ

ツェンゲル郡の中心部を出てジープで山に向かってどんどん進む。
 
 
美しい景色を眺めながら、がたごと道を越えていきます。
大自然を満喫しながら、運転手さんともいろんな話を交わしながら、進むこと2時間。
 
 
そろそろちょっと疲れてきたなぁという頃に運転手さんから朗報が!
 
「ほら、あの山を越えたらもうすぐだよ!」
 
わぁ、もうすぐだって!と喜ぶ私と友人。
 
もうすぐ・・・もうすぐ・・・・・
 
と、そこから更に進むこと2時間。
(どこが「もうすぐ」なんだろうねっていう)
 
山越え谷越え、やっと目的地タウン・ボグド山脈の麓に到着しました。この日はこの麓に住むトゥバ人の家に泊めてもらう予定でおりました。
 
ところが・・・・・・
 
われらの行方を阻むものがあったのです・・・
 
麓に到着してすぐ車を止められました。そう、麓には「国境警備隊」がいるのです。国境付近を通過するときはこの警備隊の許可を得なくてはいけません。出発前に旅行社からもらった許可書とパスポートを提示して通過の許しを得ます。ここで問題発生・・・・・。
 
「ん?許可書に書いてある車じゃないぞ?運転手の名前も違うし。通訳も案内人もつけてない外国人はここを通すわけにはいかないなぁ。残念だけど、帰りなさい。」
 
・・・・・・なんですと!?
帰れ????!!!!
 
目的地を前にして帰れとか、言われたことないし!!!
 
「われら二人とも言葉わかるから通訳要らないよ!旅行社からも、言葉分かるって言えっていわれたんだって。案内人は、ほら、運転手さんがいるし・・・車は我々の生じゃなくて、旅行社の手配ミスでしょう??」
 
「ダメなものは、ダメ。規則だから。」
 
「えええええええええ!!!!ここまで来るのに5時間もかかってるんだよ!?やだーーーーー!!帰りたくない~~!!!」
 
「残念だったね。ダメ。」
 
なんとここまで来て、帰れと言われたのです。ショックでした。車の中でダダをこねていたら、警備兵が3~4人車のまわりを囲って帰れ帰れと言うのです。許可書と違う状況にあるのは旅行社側のミスなのに・・・・・・・納得できない!!でも彼らはそうやって、間違った許可書を持ってきた旅行客を既に何人も追い返しているというのです。
 
警備兵は我々を通すつもりが全くなくて、違う話を始める始末。
 
「モンゴルに住んでいるのか?モンゴル語どうやって学んだんだ?」
 
「彼氏はいるのか?」
 
「俺たちと友達になるか?」
 
おいおい、なんだその質問・・・
そんな駄話をするためにここまで来たわけではな~~~い!!!我々はひたすら交渉を続けます。
 
「モンゴルはどんなところだ?いいところだろう?」
 
という質問に対し、友人は
 
「ここから先に通してくれたらいいところだなぁと思う!」

と返し、「なんてやつらだ」と笑われる始末・・・。

 
私も私で、
「お兄さんたちがお付きとしてきてくれてもいいんだよ?ね、一緒に山登りしようよ」
と口説いてみると、
 
「なんてやつだ!お前たちは帰るんだよ!俺だって町に帰りたいくらいだ。」
 
とあっさりふられてしまいます。
 
真面目に真剣にごねてもごねても、なかなか通してくれません。「書類に不備があるからだめ」の一点張り。
 
この事態を旅行社に電話したくてもそこはすでに携帯の電波すら届かない場所。電波が届く場所まで戻るためにはまた4時間車で走って郡の中央まで戻らなくてはいけません。帰れってことかい・・・・。
 
警備兵によると、ひと月前(2015年7月)に無許可でタウン・ボグドを登ったモンゴル人登山家5人が雪崩に巻き込まれ亡くなったそうで、それ以降厳しくチェックするようになったというのです。
 
「危険な地域なんだ。許可書がないやつは通せないぞ。帰りなさい。」
 
そんな・・・・そんなぁ・・・・・
 
ほぼ諦めかけながらも、最後の力を振り絞ってもう一度ごねてみる。
 
「ここの麓にあるボロルさんってトゥバ人の家に行きたいのです。ボロルさんの家までしか行きませんから。危ないことは絶対にしませんから。先に進む場合もボロルさんたちと一緒に動きますから・・・・・お、お願いします・・・・・・」
 
 
すると、警備員さん
 
 
「わっはは!ダメだ、ダメだ!許可がないやつは通れないんだ!さっきも旅行客を追い返したばかりなんだぞ・・・」と言いながらも、
 
「本当はダメなんだぞ」と言って、車から離れていきます。
 
あれ?
運転手さんが、エンジンをかけます。
何が起きたのかよくわかっていない私。
 
「許可がおりたみたい!」と友人。
 
ええええ!いいの!?いいの!!!??
 
交渉すること約40分、ようやく通行許可を得たのでした。
 
「ありがとう~~~~!!!本当にありがとう~~~~!!!!!」
車から大声で叫びました。
 
というわけで、日も暮れかかってきたころ、ようやく目的地ボロルさんの家に向かって再出発できたのでした。ボロルさんの家は国境警備隊のいたところから小さな坂を登ってすぐのところにありました。
 
なんだ、目と鼻の先だったんじゃん・・・
 
「もしかして、私たち遊ばれたのかな?」と友人。
 
いや、まさか!まさかまさか・・・
 
とにもかくにも、やっとの思いでボロルさんの家に到着し、ボロルさんにご挨拶することになったのでした。続く。
 
***
 
ちなみに、国境警備隊から通行許可を得なければ国境付近はいかなる場合であっても通行できません。これは事実です。国境警備隊に提出する書類は通常旅行社にお願いをして作成してもらいます。本来であれば、書類に不備があった時点で通してもらえないのですが、今回は国境警備隊の目が届く範囲までしか行かないということを条件に特別に通してもらいました。とはいえ、モンゴルはどこに行くのも大自然と隣り合わせ、危ない地域であることに変わりはありません。田舎に行くときは現地に精通しているコーディネーターと一緒に行動することをお勧めします。
土, 02 1月 2016 13:44

美しき白き山を目指して

新年あけましておめでとうございます。
今年もカザフ情報局ケステ・NPO法人しゃがぁを何卒よろしくお願いします。
今年は昨年より多くのカザフ情報を発信できたらいいなと思います。
 
***
 
というわけで、今年のウルギー滞在では、
実は今まで一度も行ったことがなかった「あの」場所に行ってきました。そこは・・・
 
 
バヤン・ウルギー県ツェンゲル郡タウン・ボグド山脈です!
モンゴル最高峰、万年雪で知られる白くて美しいこの山々、
一度は生で見てみたいな~と思っていました。
この夏はウルギーに私の友人(UB在住・日本人)が遊びにきてくれたので、彼女と一緒に行くことにしました。
 
事前にウルギーにある旅行社に車&運転手の手配と国境警備兵に提出する用の書類の作成を頼みました。
「この書類さえ持っていれば大丈夫よ!」と、旅行社から出発前日に渡された書類には、次のように書かれていました。
 
・・・・・日本国民の○○と○○(名前)は、通訳・案内人○○と運転手○○と共にTOYOTAのランドクルーザーでツェンゲル郡内を回ることをここに証明する。期間は~~~。・・・・・・・・
 
ほう、ランクル貸してくれるのか。楽でいいな~♪
 
家でルンルン気分で迎えの車を待っていると、早速車がやってきました。
 
んが。
 
・・・・迎えに来たのは結局ランクルじゃなくて、いつものロシアジープでした。
やっぱりね・・・・。
 
おまけに運転手も最初の予定と違う人がやってきた。
証明書と名前違う・・・。
おいおい、この証明書、大丈夫なのか?
運転手に聞いてみても、
 
「俺は詳しいことはよくわからない」
 
の一点張り。大丈夫か?
んも~、モンゴル(カザフ)っぽいな~。そういうとこ嫌いじゃないけど。
 
なんとな~く不安を抱えながら、時間もそんなに余裕がないので、とりあえず出発。
(この不安は後に的中することになるのですが・・・。)
 
ウルギー市を出て、オラーンオール郡を通過し、ツェンゲル郡の中心部に向かいます。
ツェンゲル郡の中心部までは道の状態がよいので、だいたい1時間くらいで到着します。
 
ジープの中はいつもワクワクする
 
道中ラクダさんもすこーし見かけた
 
ツェンゲル郡の街の様子
 
ガソリンスタンドで給油中のジープ
 
実は、この運転手さん、ツェンゲル郡の中心部に自宅があるということで、そのままお昼ご飯を運転手さんの家でいただくことに・・・
 
家に入ると、奥さんたちがすでにご飯の準備を始めてくれていました。
 
こどもがかわいかった~
 
ヒツジ肉を細かく切って・・・コールダックだ!
カザフのおもてなし料理の定番ですね。
さっと作れて、肉がいっぱい食べれて、美味しい。
 
 
とっても美味しかった・・・
 
 
お茶やご飯を一緒に食べながら、運転手さんやその家族とも少しずつ打ち解けていきました。
無口で怖そうな印象だった運転手さんでしたが、仲良く旅ができそうです。
運転手さんの家族写真を撮って、さぁ出発。
 

 
目指すは万年雪の麓。 
「ここから麓まではまだまだかかるぞ」と言われましたが、行くしかないでしょう。
というわけで、旅は続きます。
日, 19 7月 2015 02:55

WS開催報告

ご報告が遅れていましたが、以前よりKECTEでもご紹介していましたカザフ刺繍ワークショップ@風カルチャークラブは、
好評のうちに無事終了いたしました!
 
ワークショップの様子をちょっと公開しちゃいます。
 
前日準備中の様子。壁一面に刺繍布を張りました;
 
物販も充実!
 
当日の様子。簡単なカザフ文化紹介のあと、枠に布を張る作業を行いました。
 
これまで枠に布を張る作業は時間がかかるためワークショップ中には行っていなかったのですが、
今回はたっぷり時間がありましたので、やってみることにしました。
ポイントは、布を指で弾いた時に「ドンドン」としっかり音が出るまで張るということ。
布を枠にしっかり張ることができれば、最終的にきれいな作品に仕上がります。
この作業、結構力もいる作業でして、
それゆえに私はカザフ刺繍のことを勝手に「体育会系手芸」と名付けております。
汗だくだく・・・
 
さて、枠に布を張ったら、こんな感じに縫います!とレクチャーに移りました。
 

まずは皆さん、直進の縫い方を練習されて、そのあとストライプ柄の作り方と、方向転換の方法を習得されました。
方向転換が一番難しかったみたいです。 


あとはみなさんひたすら縫い続けておられました。
 
今回のワークショップでは、小さなカザフ文様をひとつ完成させることを目指していただきました。
「コースターを作る」とか、「ポーチを作る」とかではなく、あくまでも「文様」を完成させることを目的として設定しました。
それというのも、カザフ人が初めて刺繍を習う時の状況をそのまま体験していただきたいと思ったからです。

カザフの女性はかぎ針刺繍を習い始める時、お母さんに布上に文様をひとつ描いてもらって、
それを完成させることから始まります。
少しずつ、大きな文様を縫い終えるようになっていって、
最終的にはあの大きな刺繍布を縫えるほど上達していくのです。
こういったエピソードからは「文様を縫う」「文様を施す」ということが、
カザフ人にとって、非常に大切なことであろうことがうかがえます。

ワークショップ中は皆さんもくもくと縫い続けておられましたが、
あとで
「難しかったけど、面白かった!」
「続けてやりたい!」
「かぎ針での刺繍は初めての体験だったから新鮮だった」
などのご感想を頂きまして、ほっとすると共に、とても嬉しく思いました。
後日、「こんな感じに仕上がりました」とお写真を送ってくださった方も!
カザフ刺繍人口、増えるといいなぁ・・・。

Photos by  Kyouichi Shimada, Yo Kanno


 

今年の1月にカザフの刺繍と織りの展示でご一緒させていただいたKannotextileさんが、本日より東京・銀座一丁目のギャラリー「うとうと」で新作の販売会を行っているそうです。

Photo by Kannotextile


販売会の日程・場所などの詳細はこちらをご覧ください。


今回は、色々な地域の布を用いて「チャパン」という中央アジアの上着を作られたそうで、会場にはたくさんの素敵なチャパンが置いてありました。どれもとってもかっこよかったのですが、菅野さんの渾身の作品が・・・。

 

カザフの刺繍壁掛けトゥス・キーズで作ったチャパンです!
ものすごい迫力で壁に展示されていました。めちゃくちゃかっこいい・・・。
引き込まれるような魅力を放っています。


ちなみに、ついこの間の展示ではこんな風に飾られていました。


すこし見えにくいのですが、手前の布が今回チャパンになりました。


現地ではあくまでも「壁掛け」として使用されている刺繍が施されたこの布を、菅野さんはチャパンにしました。これについては、おそらく、賛否両論があるのではないかなと思います。特に、現地のカザフ人の中には抵抗を感じる人もいるのではないかなと感じます。なぜなら、彼らにとって壁掛けは「被るもの・着るもの」ではないからです。


実は、コンサートツアー中、ドンブラの演奏者であるクグルシンさん(カザフ人)とこのチャパンを観に行ったのですが、その時彼は驚いた顔をしていました。


「我々にとってトゥス・キーズっていうのは、壁にかけて使うものなんだよね。だから、こうやって上着にしようっていう発想は僕らにはないなぁ・・・。」


クグルシンさんは、このチャパンを見て「絶対反対!」というわけでもなく、「いやぁ~!素晴らしい!」というわけでもなく、少し驚いたようすで何度も見ていました。続けて、彼は、


「僕たちカザフ人はかぎ針の刺繍によってトゥス・キーズを作ってきたけど、観光客が来るようになってからはその技術を使って観光客向けのカバンとかを作るようになったんだよね。そしたら今は、カザフ人の中でもそういうカバンを使うことが流行になってて、若い子を中心にあちこちで使われているのが見られるようになったんだ。」


と、話していました。


カザフ人の間ではこれは「壁掛け」ですから、彼が感じたようにこのトゥス・キーズチャパンに対して不思議に思うことはある意味自然なことかもしれません。


ただ、このトゥス・キーズをひとつの「布」として捉えたとき、その布が壁掛けとしての役目を終えてこちらの世界に入ってきたとみなすならば、その布としての魅力を、彼らの手仕事の素晴らしさを、最大限に生かし新たな形にすることは、ある文化に対する冒涜などではなく、むしろ新しい文化のカタチを創造し、ものに別の命を与えているかのように、私には見えました。


「伝統文化」というものは、全く形を変えずにずーっと続いてきたわけではなく、外から・内から色々な影響を受けながら変化をしつつ、連綿と続くある流れの中で形成されていっているものです。ひとつの文化に対する外からのアクションという意味では、これはとても興味深い例だなと感じました。


もしかしたら、「観光客向けのかぎ針刺繍カバン」のように、何かの動きがカザフ人の中で起こるかもしれない。そう思ったら、いつか、クグルシンさんだけでなく、現地の色んな人にこの作品をみてもらいたいなぁと思ったのでした。


展示販売会は21日まで。お近くの方、ぜひ足をお運びください。
月, 11 8月 2014 09:40

明日から

モンゴル国をしばし離れ、カザフスタンに参ります。
私にとっては、初めてのカザフスタンです。
モンゴル以外の外国に行くのは久しぶりなので、ちょっとドキドキしています。
 
カザフスタンからではなく、モンゴルからカザフに関わるようになった私にとっては
これまでカザフスタンはなんとなく遠い場所のように感じられてきました。
 
ですが、カザフスタンでは今年の春くらいから1年間試験的に日本人が15日間であればビザ無しで入国できることになったということで、せっかくだからこの機会に行ってみよう・・・と、思い切ってみました。
 
カザフスタンではアルマタ(アルマトイ)に滞在することになります。
むかし、カザフスタンの首都だったところです。
都心部から少し離れて、田舎のほうに足を延ばす機会もありそうです。
 
10日間というとても短い旅ですが、いったいどんなことが待っているのでしょうか。
未来に繋がる良い旅になるといいなぁと思います。
火, 29 4月 2014 12:10

春の嵐

 

4月は一瞬のうちに過ぎ去っていきました。まるで嵐でした。


大学院生活に復活しただけではなく、
2つの大きなイベントを行うことになり、とにかく激務でした。イベントはどちらも無事に終わりまして、ホッとしてます。今では気が抜けすぎて、家でも電車でもバイト中でもころっと寝てしまう有様ですが。


えー、軽く振り返ってみますと・・・


①4/18〜20  春の中央アジア文化祭@西早稲田「もくれんげ」
 
西早稲田の古民家にて、3日間カザフの刺繍布や手織り紐の展示および物販を行いました。



ウズベクやトルクメン、トゥバの文化紹介などでご活躍されている方々と共同で行った企画でした。毎日たくさんの人が来て下さって、今思い出すだけでもすごい濃い時間・空間でした・・・。中には「カザフの刺繍布を観たくて来たのよ!」と言ってくださる方もいて、素直に嬉しく思いました。


ちなみに、最終日にはちょっとしたスライドトークも。
 

カザフ人の紹介と彼らが作るものに込められた想いについて話したかったのですが、準備不足が響いて色々悔いの残る形の発表になってしまいました。緊張しすぎて早口になってしまい・・・終いには自分でも何を言っているのかわからなくなる始末。悔しい結果になりました。

この時、私の大学の先輩に言われた言葉が頭に浮かんだのでした。

 
「10知って1のことを話せるかどうか。100知ってやっと10のことが語れる。」
 
 
私のカザフに関する知識は、まだ10にも満たないのだと痛感したのです。伝えたいと思う何かがあるのならば、ひたすらに学び続けることが大事なのだと。まだまだ私は何かを語れる立場にはないのです。これからも初心忘れることなく、自惚れることなく、貪欲に学んでいこうと思った次第です。
 
 
②4/27 カザフの刺繍布トゥス・キーズ展示解説&カザフ刺繍ワークショップ@網走「北方民族博物館」

 
前週のイベントでの興奮覚めやらぬまま、北の大地へ・・・
 

網走の空港から博物館へ向かう道は広々としていてモンゴルを思い出す風景◎ ああ、素敵。
でもカメラ忘れちゃって景色のひとつも撮れなかったけど。ばかー。

 
北方民族博物館では、5/11までNPO法人北方アジア文化交流センターしゃがぁと共催で、
カザフの刺繍布の展示を行っています。
 
 

 
今回私は展示解説と刺繍ワークショップの講師として呼んでいただきました。
 
 
展示解説では・・・西早稲田での反省を生かし、ゆっくりと割と落ち着いて話すことが出来ました。布に囲まれていたのもよかった。思い出がつまった布たちを前に、変に臆する気持ちも無くなりました。参加者の皆様からたくさんご質問もいただき、私も勉強させていただきました。




刺繍ワークショップには、25人の方が参加してくださいました!




自分はウルギーで初めてかぎ針刺繍に挑戦した時、本当に全然縫い進められませんでした。ですから、今回のワークショップがうまく進行するかどうか、最初はすごく不安だったのですが・・・ワークショップがはじまると皆さんすごい集中力でドスドス縫い進めていらっしゃいました!本当にすごい!
 
 
また25人に同時に教えるというのは初めての経験だったのでワタワタしてしまった部分もあったのですが、博物館のスタッフの皆様がびしっ!!!とサポートしてくださったおかげで大きな混乱なく3時間が過ぎて行きました。ありがとうございました!
 
 
私は教える側としてはまだまだ未熟者なのですが、最後お声かけしてくださった方々が「カザフ刺繍おもしろかった!」と言って下さって、やってよかったなぁと胸がいっぱいになりました。
 
 
今回お世話になった全ての皆様にこの場を借りて御礼申し上げたいです。本当にありがとうございました。今後も、カザフの刺繍をはじめとする手芸文化、手仕事について色んな形で発信しつづけていきたいと思っています。がんばるぞー!


というわけで、GW前半は嵐のあとの静けさを楽しみます。 
久々に家に引きこもってドスドス 刺繍にいそしみます。



*一部写真をご提供くださった皆様、ありがとうございました。 
木, 06 3月 2014 16:03

時は流れて

 

 
 
2月のはじめに日本に帰国しました。

 
周りの方々からは、「またすぐモンゴルに行くんですか?」とよく聞かれるのですが、私の留学期間は2年間という事だったので、これで一応おしまい。4月からは日本での生活に戻ります。長いようで短かった2年間。今は、なんだか浦島たろ子の気分です。
 
 
日本に帰国した直後はコンサートツアーのお手伝いがあったりでバタバタしていたけど、仕事も一段落して家で一人レポートを書いている今日この頃、色んなことを思い出しながら留学を振り返っています。本当に色々あったけど、みんな昨日のことのようです。
 
 
 
ウルギーでカザフ人家庭にて住み込み調査をはじめた当初は、モンゴル語がわかる人以外とのコミュニケーションがまるで取れなくて、結構悔しい想いをしたことが思い出されます。
 
 
 
特に、最初の3ヶ月は、本当にきつかった。相手が何を言っているのか理解できない。なんで笑っているのか、なんで怒っているのか、何を求めているのか、わからない。うまく言葉が出てこない。自分が言いたい事が相手に伝わらない。それが原因で、子どもに八つ当たりしたこともあったなぁ。同じ部屋に寝てた女の子と喧嘩になってしまったこともあったっけ。彼女には、一日中ずっと泣きながら「ごめんなさい」って謝った。夜にやっと誤解がとけた時、すごく嬉しかったのをはっきりと覚えてます。
 
 
 
今では、すっかり、国際電話までする仲になりました。あの頃は、想像もできなかったけど。

 
↑ホストファミリーと最後家を出て行く前に撮った写真。みんな元気かな。

 
言葉が通じるようになって、カザフ人とだんだん仲良くなっていった頃。
 
 
今度は、「調査」とか「研究」って何だろうって考えてたなぁ。ある研究者の言葉や行動に疑問を感じたこと。あるカザフ人に怒鳴られてショックを受けたこと。そして何より、それまでの自分の行動の在り方。
 
 
対象であるカザフ人のもつ目に近づきたいって思って行動しているつもりだったけど、自分がやっていることは実際どうなんだ???  相手のカザフ人を怒らせてまで、取らなくちゃいけない記録ってあるの?手伝ってって言われているのに、写真を撮る事の方が大事なの?信頼関係ってどうやって築くんだろう。私はちゃんと信頼関係を築けているのかな?私は私の希望ばかりをぶつけているのかな。相手に怒鳴られて悔しくて怒り返してしまった。これじゃ、何も生まれない。結局、私の目でしか、相手を見てなかったのかな。あの頃の悩みは、今も続いている解決しない悩みだったりします。
 
 
↑子どもにも、大人にも、本当にたくさんの人と出会いました。それぞれと、色んな思い出があるのです。
 
 
 
研究、研究ってそういうんじゃなくて!もう気取らなくていいから、バカなんだから、等身大でいいんだから、と思うようになったある頃から打ち込むようになった手芸の実践。指導を引き受けてくれた先生には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。手芸をしながら横で色んな話をしました。毎日、毎日、くだらないことも、たわいもないことも。その何でも無い会話の時間が、そして、おしゃべりしながら手芸に打ち込める時間が、私にとっては宝物でした。
 
 
 
↑手芸の先生とお孫さんたち。彼女も、出会えて良かった人の一人です。
 
 
と。
 
とりとめもなくぼーっと振り返っているのですが.....。
 
 
2年間を振り返ろうとすると、やっぱり印象深かったことばかりパッと思い出されるけど、それだけではなくて、もっともっと些細なこともこれから一つずつ思い出して整理していきたいと思います。
 
 
私は現地で沢山のことを学びました。沢山のことを人に教えてもらいました。その教えてもらった事を無駄にしない為にも、教えてくれた沢山の人たちに恩返しをするためにも、これからはその学んだ事をblogや展示などを通じてアウトプットしたり、更に深めていきたいなと思います。
 
 
というわけで、ケステblogはこれからも続きます。今後ともよろしくお願いいたします。
 
 

 

 

月, 20 1月 2014 07:32

戻ってきました。

 

 

17日に飛ぶはずの飛行機が、突如キャンセルとなり、
翌18日にウランバートルを出発し、やっとウルギーに戻ってきました。

 

 
バヤンウルギーに近づくにつれ、雪の量が少なくなっているような。
UBから近いところで撮影した時は、見える山々はどれも真っ白だったのに、
ウルギーに近いところで撮影した時は、なんだか彫刻でほられたかのような山がみえた。
 
 
バヤンウルギーに向かう機内は、もはやカザフ語一色。
みんなウルギーが見えると、嬉しそうに「帰って来た〜!」と声をあげる。
私も真似っこして「帰って来た〜!」って呟いてウキウキ。
 
空港を出ると、ホストファミリーがお迎えに来てくれていました。
 
この日の夜は、私の大好物の肉とスープ料理。んま〜。
日本では食べられないこのお味。本当に贅沢。
 
 
次の日は友人宅にて、馬肉入りのボーズ(モンゴル料理: 小龍包みたいな蒸した肉餃子)をいただきました。
これまた、んま〜。
 
 
 
今回は10日だけの滞在です。
あっという間に過ぎてしまうんだろうな。もう寂しいのですが。
やることしっかりやって、滞在を楽しみます。
木, 21 3月 2013 01:20

春の訪れ

こんにちは。だいぶ、blogの更新をお休みしていました。

2月中頃から約1ヶ月ほど、日本に帰国していました。
1ヶ月という長いようで短いような時間の中で、
これまでの一年間をすこし振り返り、これからの一年間にむけて、気合いをいれてきました。
残りの留学期間、たくさんのものを見れるようにがんばりたいです。
今日からケステもちょっとずつ更新再開です!
 
 
さて、日本からモンゴルに帰って見ると、ウランバートルの寒いこと....。
厳冬期は過ぎたと言えど、冷たい風が身にしみます。
春だからと言って、うっかり薄着で出かけると、悲惨なことに。
 
 
ところが、今日ウルギーに戻ってみると、さすがはウルギー。
とってもぽかぽかと暖かい気温になってました。日本の春を思い出します。
 
 
3月22日はカザフの「ナウルズ」と呼ばれるお祭りです。
ナウルズは、もとはペルシャ暦の新年で、ところによって、お祝いする日にちがちょっとずつ違うようです。カザフ人にとっても、ナウルズは一大イベント。みんなで一緒に春の訪れを祝います。街を歩いてみると、あちこちでナウルズを祝う準備をしている様子が見られました。
 
 
街往く人々も、カザフの民族衣装を着て歩いている人が目立ちます。
学校では、民族衣装を持っている子は民族衣装で登校するようにと言われているらしく、
ちらほらと、可愛らしいカザフの服を着た子ども達に出会いました。
写真も撮らせてもらいました♪
 
 
22日のナウルズでは、盛大にパレードも行われるとか。いまからとっても楽しみなのです♪
ナウルズの様子は、ここケステでご紹介したいと思います。

Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/mominet/kazakh-mongol.com/public_html/components/com_k2/templates/default/user.php on line 260