火, 04 12月 2012 03:22

空の上から

 

久々の更新になりました。
 
 
11月の終わりに、ようやくビザ更新の手続きが終わり、来年も継続してモンゴルにいることになりました。もっと深くカザフ文化を見たい、理解できるようになりたい、と思っての延長です。
 
 
「もっと深くカザフ文化を...」とは書きましたが、勿論それは決して簡単なことではないです。例え、長くここに住んだからといって、それが叶うわけでもないと思っています。
 
 
実はここ数日の間で、ひとつの文化を見るという事、自分とは違う他人とつきあい、深い信頼関係を築いていくという事は、これほどまでに難しいことなのかと、思い知らされるような出来事がありました。
 
 
自分は今年の4月からのこの半年ちょっとで、それなりに相手との関係を作っていけていると思っていました。でも、とある問題がきっかけで、自分のその考えは完全に崩壊しました。今、自分は自分が接している人々の事がまるでわからなくなっています。私がこうしたいと望むことや、理解してほしいと思うことを、彼等は全く理解していなかったり、それは彼等にとってはどうでもいいことだったり。そして、その逆もあるのです。今の私には、彼等が何を考え、何に対して喜び、何を望み、何に怒りや憎しみを抱いているのかが、わかりません。
 
 
違う言葉を話し、違うものを見てきた人達と、本当の意味でわかりあい、関係を築いていくということは、1年や2年で出来るはずもなく、さらには20年や30年かかったって難しいことなのかもしれません。「相手のことを理解するためには、相手についてよく知らなくては....」とは思うけれど、私が一方的に知ろうとしても、相手が見せてくれないことだってある。信頼してくれないこともある。拒否されることもある。一方で、無意識のうちに、自分の(日本人としての)考えを押し付けていたり、あるいはもっと足下を見てみると、自分のことすらちゃんとわかってなかったり、自分が自分のわがままを突き通そうとしているだけだったりして、そもそも自分に問題があることもある。
 
 
当たり前のことだけど、人との接し合いの中で、何でも自分の思い通りにいくわけはなくて、でも、その「当たり前のこと」に気がつくって難しいことで、ものすごい時間がかかったり、時には大きな痛手を負ったりするのだなと思いました。相手と接する中で、自分が何を選択しなければならないのか、自分が何を諦めなければならないのか......、それを見極めるのは非常に難しい。自分はそれが、まだまだまだまだ、ぜんぜん、まったく、出来てない。
 
 
。。。なんて、ごちゃごちゃ考えながら、ウルギーでの生活が再び始まったわけです。ウルギーでの生活も、三度目のスタートです。今度は何に出会い、何を見るのかな.....。気合い入れ直して、がんばる!
 
 
 
最後に^^ 下の写真達は、ウランバートル発、ウランゴム経由、ウルギー行きの飛行機の中で撮影した写真達です!空の上から見えた、冬のモンゴルってこんな感じ!!^^
 
 
 
↑ウランバートルを出発して30-40分くらい経過した地点で。山の上、一面真っ白の雪が....この辺りは、寒そうだなぁ。
 
↑もうすぐウランゴム!オブス湖周辺と思われるんですけど、どうかな。一面凍っててよくわかんない....。
 
↑経由地ウランゴムを出発!再び離陸です。飛行機は高く高く空へと上がり、またキレイな景色が見えてきました!

↑乗ってた飛行機のプロペラ。がんばってとんでくれー。
 
 
↑ウルギーに近くなってくると、この辺りにはあんまり雪が降っていない?雪が見られず、茶色い地面や、黄色い草が生えている様子が見られました。

↑さて、もうすぐウルギー!私の今住んでいる家は、この写真のどっかに写ってます。笑 川が完全に凍っている!
 
 
↑さぁ、いよいよ着陸!ウルギーの町が近くなってきた!やっほい、ただいま!!
 
 
↑お疲れさまでした〜!私たちが降りてきた滑走路はこんな感じ。
 
 
途中、飛行機の中で急病人発生などのトラブルがあったため、今回は計4時間半のフライトとなりました。飛行機の大きさにもよりますが、普通直通だと2時間半くらいかな。(ちなみにバスだと3日間かかるらしい。冬は死ぬほど寒いらしい。)
 
 
よし、今日からさっそく田舎に行ってくるぞっと!羊と一緒にぶるぶる凍えて震えてくるぞっと!
月, 24 9月 2012 10:20

秋のウルギー

 

だいぶ久しぶりの更新になりました。
8月中は、ウランバートルやらモンゴル国内あちこちをまわっていました。
7月に撮影した写真を出したいなぁ出したいなぁと思っていたら、気がつけば秋…
うわぁ…。時間ってはやい。
なので、夏の間に取り貯めたカザフのウイと装飾品たちの写真は、
なにかの時にばぁとまとめて紹介したいなぁと思います。
 
 
さて9月にウルギーに戻ってみると、秋景色?
いやいや、田舎の方ではすっかり雪景色になってました。
 
 
↓サグサイ村への道中にて撮影。
 
 
 
草が一面黄色く色づいていて、その上に白い霜が降りてて。
山には真っ白く雪が降り積もりはじめます。
秋冬にみられるウルギーの草原の姿。きれいだなぁ。
 
 
約1ヶ月ぶりにウルギーのステイ先に帰って見ると、
ステイ先の妹たちがお出迎えしてくれました。
うーん、ステイ先はすっかりモンゴルでの第二の家になってます。落ち着く。
 
 
ウルギー市の様子は、離れる前とたいしてかわってなかったけど、
町の中に信号機ができたりして(前は無かった、と思う。)
ところどころ変化があったり。なかったり。
 
またここでの生活がはじまります。
たっぷりカザフ文化に浸かるぞっと。
またケステブログにカザフ文化のあれこれをいろいろ書き込んでいけたらなと思います。
 
 
 
***
 
9月22日はサグサイ村にて毎年恒例のイヌワシ祭りが行われました。
今年は祭りの前日に雪がふったせいで、例年以上に観戦中、寒かったぁ。。。
祭りの様子は、次回写真と一緒にご紹介したいと思います。
日, 24 6月 2012 05:57

アルタイ村へ

 

 

さて、前回も書きましたが、6月はじめからアルタイ村というところに行ってました。
なぜ、アルタイ村に行ったかと言えば、いろいろ理由はあるのですが、一番の大きな理由として、ウルギー市でのホストファミリーの家族の出身地であったことが挙げられます。彼等が生まれ育った場所やそこでの生活を、一度自分の目でじっくり見てみたいと思ったのです。
 
 
いま、同じ家で生活しているホストファミリーの親戚の子どもが、夏休みになり実家に帰省することになったので、彼女たちの家にお邪魔することにしました!
 
 
1件目はこちら!
ホストファミリーのお父さん:クグルシンさんの2歳年下の弟の一家です。
この家の長女ジャナル(19歳)と、現在一緒にクグルシン家で同居しています。
 
 
ジャナルの家は、アルタイ村のジャランガシというところにあります。
村の中心からおよそ25km離れたところで、山の中にあります。
クグルシンさんもかつてはここで夏を過ごしていたそうです。
夏もかなり涼しいので、夏営地も同じジャランガシの中でちょっとだけ移動します。
山あり、川あり、湖ありの美しい場所でした。
 
 
2件目はこちら!
クグルシンさんの12歳年下の弟の一家です。
この家の長女アイジャン(15歳)と、現在一緒にクグルシン家で同居しています。
 
 
アイジャンの家は、アルタイ村のママンゴラと呼ばれるところにあります。
村の中心から、およそ5kmほどの近いところに位置しています。
ここは、彼らにとっては冬営地となるので、夏にはここから離れた山中に移動しなければなりません。(今回、タイミングよく移動の様子を見る事ができました!)
 
 
と、いうわけで、上の2件に、それぞれだいたい1週間ずつお世話になりました。
 
 
さて、ウルギー市からアルタイ村へは、アルタイ村行きのタクシーを探していきました。これです、じゃーーーーーん!!!!!
 
このロシア製ジープに乗って、さあ出発!料金は片道10,000tg(およそ750円)
 
 
アルタイ村につくまで、およそ3時間。道中の景色のまたステキなのなんのって。
 
 
道中で見れるキレイな景色にわくわくしながら、あっという間に3時間がすぎ、アルタイ村に到着しました。
↓アルタイ村の様子です
 
 
アルタイ村からジャランガシまでは、ジャナルの親戚の人に頼んでバイクをだしてもらいました。バイクにノーヘルメット3人乗りしたのは初めてでした。笑
3人乗ってる様子をうまく撮れなかったから、せめて影の写真。
ぼこぼこ山道をバイクで行くのでとってもスリリングでした....。笑
 
 
そんなこんなで、結構わくわくしながらアルタイ村での生活がはじまったのです!
続く!
日, 03 6月 2012 12:35

Tesic Tas

 

カザフ語で、"Tesic Tas" と呼ばれる石をご存知でしょうか?
 
「カザフは、穴の開いている石(人工的に開けた石ではない)を
とても大切にするんだ!」
 
 
と、サグサイ村の若夫婦(Erjan兄さん&Bagsha姉さん)のところに遊びにいったとき、Erjan兄さんが教えてくれました。
 
 
ん?そういえば、この家のあちこちに、石が....。
 
 
小さな子どもの場合、肩に縫いつけるそうです。
 
 
こうして、悪いものから身を守り、幸運がくるようにとお願いするのだそうです。
 
 
さて、ここバヤンウルギーでは、トルコ的な文化もよく見かけるのですが、
トルコのお守りのひとつの「目」と呼ばれるものを非常によくみかけます。
 
 
どんなところに飾ってあるかというと。。。
 
 
携帯電話につけたり、
ブレスレットとして使ったり、
結婚した夫婦の写真にかけたり
 
 
このように、いろんなところにつけてます。
あるとき、子どもの肩に縫いつけてあるのを見かけたのですが、
「ん?なるほど?Tesic Tasも、このトルコの"目"のような働きをしているのかな?」
と、思ったりしちゃったりしました。
 
 
実は先日、田舎に行った時、仲良くなった11歳の女の子が、このTesic Tasを糸に結びつけてストラップみたいにして私にプレゼントしてくれました。
 
 
「姉さんにあげるよ。これつけてると、かわいくなるよ!」
 
 
と、言ってくれたので、服のチャックのところに結びつけておきました。ところが、この糸が、ボール遊びをしている間に切れてしまい、石がどっかに落ちてしまいました。当然、石を探そうとしましたが、広い草原でばたばた走りまわっていたものですから、どこに落としたかも検討がつかず、割とすぐに探すのを諦めて、石をくれた彼女のところにいきました。
 
 
「ごめんね。石、落としちゃったんだけど、見つからないんだ。ごめん。」
 
 
と、いうと、彼女は少し黙って、また
 
 
「かわいくなるよ!」
 
 
と、一言いいました。でも、そのときの彼女の目が、なんだか、泣くのを必死に我慢しているようなそんな顔だったんです。
 
 
あ、自分ばかだ。って思いました。その人にとって、どういう石なのかもちゃんと考えず、草原だから見つかるわけないだろうって思ってすぐに諦めて、謝ればいいと思ってました。とても恥ずかしいことです。
 
 
結局、そのあと、再び石探しをしました。夕方になって暗くなってしまったので、次の日に、ということになったのですが、次の日の朝探しても結局見つかりませんでした。
 
 
うーーん。どうしよう。。。と思って下を向いてた時、その子がやってきて、「はい。」っと、私に別のTesic Tasをくれたのです!(あとで知りましたが、Erjan兄さんはどうもTesic Tasを拾ってたくさん集めているようです。)
 
 
うう、ありがとう。今度は落とさないように、大事にします。。。
 
 
と、いうわけで、お守りとしてわたしも毎日身につけています。
そんなTesic Tasのおはなしでした。
金, 11 5月 2012 04:43

近況報告

ウルギーでの生活がはじまって、2週間くらいが経過しました。
まだまだ生活には慣れないことも多いけど、なんとかやってます。

この2週間の間に、田舎に行ったり、色んなカザフ人の家に行ったり、
毎日なんだかんだと、忙しかったです。

最近は、どこに行くのも徒歩での移動なので、
一日平均2〜3時間は、てくてく歩いてます。
(日本でトレーニングを怠っていたツケがここで回ってくる。)

おかげで夜はばたんきゅー。
がっつり8時間は寝てます。

食事も、よく食べてます。
実はちょっと苦手だった馬の肉にもだんだん慣れてきました。
お茶も沢山飲みます。
カザフ人は、ほんとーーーーに、お茶をよく飲む! 


カザフ語の方は、相変わらずめちゃくちゃ。
目が覚めたら突然カザフ語べらべらべらになってたーーー!!!
という、夢のようなことはなく、
毎日、身ぶり、手振り、全身使って表現してます。
伝わらない事も多いし、そのために歯がゆい思いをすることも多いけど、
ここがふんばりどころ。
彼等とカザフ語で会話できるようになりたいですから。

ウルギーに来てから見たものを、これから少しずつ書いていきたいなと思います。


ところで、昨日おとといと雪が降りました!
(と、いうか、おとといは吹雪いた...。)

雪がふると寒いけど、きーーーーんとした空気は気持ちいい。
今日は晴れて、山に降った雪がキレイにみえます。
ウルギーは、どこ歩いてても、山がみえます。きれい。






火, 17 4月 2012 14:16

名無しのおばあさん

 

抱えてた問題が少しずつ解決しはじめてます。
ウルギーへ出発する日も決まり、いよいよかぁと思いながら、ウランバートルの町中を歩いていた今日の昼のこと。


ご存知の方も多いかもしれませんが、ウランバートルの交通状況ってとにかく酷いんです。
毎日毎日ものすごい渋滞してて、バスも車も一行に進まないし、
進まない状況にイライラした運転手がめちゃくちゃにクラクション鳴らしまくるし、
交通ルール?ゆずりあい?何それ?俺優先だろ?みたいな。


そんな状況のなかで、通行人もやっぱりめちゃくちゃなわけで。
赤信号だけど平気で道のど真ん中まで進む。
道って言っても、普通に交通量がめちゃくちゃ多い道のど真ん中まで進むので、
前からも後ろからも車がびゅんびゅんスピード出してきて、もう超危ない。


普通、ちゃんと青信号を待つべきなんですけど、
わかっててもなんとなく体が前に出てしまい、私も無茶な横断をしてしまうのです。
(まねしないで下さい)


で、今日は本当に危なかった。
やっぱり道のど真ん中まで進んで、車の流れが途切れるのを待っていたのですが、
前からものすごい勢いで大型バスが突っ込んできたんですよ。
「あ!これはまずい!」と思ったけど、咄嗟のことで反応できず棒立ち状態になってたら、
知らないモンゴル人のおじさんが私の腕をぐっと引いて
「おい!さがれ!」って言って助けてくれました。


おじさんに御礼をいったら、おじちゃんも、にこっと笑ってその場を去りました。


あー、よかった。よかった。


と、思ったのもつかの間。また同じことを繰り返した馬鹿な自分...。
ついくせで道の真ん中まで飛び出して、動けなくなりました...。
すると、今度は知らないおばあさんが、後ろからすっと腕を組んできて、
「さぁ、前に進みなさい。進まないと、車は譲ってくれないわよ。」
と言って、一緒に渡ってくれました。


さすがに恥ずかしくなり、ものすごく申し訳なくなり、
助けてくれたおばあさんにひたすら謝ってました。
すると、そのおばあさん、歩きながらいろいろ語り始めました。


ば:おばあさん
あ:あたし


ば:「気をつけるのよ、あなた。ウランバートルの道は、危ないから。さっきは、私たち、ちょっと危ない渡り方をしたけれど、本当は車の流れが切れるのをまって、進みなさいね。私のフランス人の友達が、ウランバートルを去る時、私に残していった言葉が、『この町の交通状況をなんとかしてくれ。ここの人達はまるでルールが無いみたいだ。危なくてしょうがない。』って言ってたわ。どうして、モンゴル人は、こうなっちゃったのかしらねぇ。同じところに住んでいる者として、とても悲しい。そして、自分の息子のように、とても心配。毎日、誰かが怪我してるのよ。」


あ:「そうですね。本当にごめんなさい。私も気をつけます。」

ば:「あなた、日本人でしょう?日本人は大好きよ。とても礼儀正しい。あなた、ここに住んでいるの?この先も、ずっとここに住むの?」

あ:「いえ、私は、モンゴルのカザフ人の刺繍文化に興味があって、バヤンウルギーに行くつもりです。」


と、説明すると、おばあさんは、


 ば:「そうなの。カザフの女性はとてもよく働くでしょう。そうなのよね、実は、私はウルギー出身なの。私は、カザフ人です。」

そう、なんと偶然なことに、その女性はカザフ人だったのです!
ウランバートルに住み始めて、5年になるそうです。
彼女は、自分の家族のことを話しつつ、


ば:「(少し寂しそうに)私の本当の娘は、カザフスタンに行ってしまったのよ。あなた、あなたは今ここ、同じ土地に住んでいるのだから、私の娘みたいなもんよ。あなた、もっと気をつけなさいね。まず第一に、自分の身を考えなさいね。それから、一生懸命、研究活動して....成功を祈っているわ。」


と、とても優しい笑顔で、声をかけてくれました。 
私は、なんだか、その出会いがものすごく嬉しくて、嬉しくて、名前を尋ねたのですが、


ば:「名前?わたしの名前は、無いのよ。ふふふ。さぁ、もうお行きなさい。今度は、気をつけて。」


と言って、去っていきました。


たった10分かそこらの、それだけの出会いだったけれど、
私にとっては、とても印象的な出会いでした。
あのおばあさんの笑顔が本当に柔らかい優しい笑顔だったから、忘れられないし、
それに、実は、ここ2週間、ウランバータルにいながらも、
カザフの人やカザフの装飾に関わりのある人に出会う事が多く、
なんだかすごく不思議な縁を感じてます。うまく説明できないけども。


あのおばあさんの名前は聞けなかったけど、
なんだか、またどこかで会える気がするのです.....。



ここ数年、ウランバートルに住むカザフ人も増えていると聞きます。
「モンゴル」という国に住む彼等が、何をみて何を感じているのか、
そういう部分も少しずつみていけたらいいなーと思います。
 


 



 





 

金, 18 5月 2012 08:29

ウイで歌う

 

サグサイ村に滞在してたときのはなし。
 
ある日、マナイ家の隣のウイ(カザフ人の移動式住居)にお邪魔して、
そこのうちの子ども達と遊んでいました。
若奥さんはそのとき、せっせせっせと、
バオルサック(茶と一緒に出される乾物)を作っていました。
若旦那さんはというと、家畜の様子見から戻ってきて
ぼぉーっと、TVをみてました。
 
 
すると、旦那さんはTVを消して、
ふっと壁にかけてあった楽器を手に持ち、
静かに、歌い始めました。
 
 
この楽器、「ドンブラ」と呼ばれるカザフの民族楽器のひとつです。
二本の弦を弾いて音を出す楽器で、
とても軽やかで、でも心に響き渡るような、
そんなメロディーを奏でます。
 
 
旦那さんは、決して特別歌がうまいというわけではないけれど、
好きなカザフの曲を、1曲、2曲...と歌っていきました。
 
 
一方、奥さんはというと、
せっせせっせと、バオルサックのための生地をこねながらも、
ちらちらっと旦那さんの方をみつつ、
旦那さんのドンブラにあわせて、歌い始めました。
 
 
ウイというひとつの空間の中で、夫婦がなんとなく、
ぽつりぽつりと歌ってる感じが、
なんだか微笑ましくて、うまく表現できないけど、
なんか、いいなぁって。
ふたりの息もいい感じにあってて^^
とっても穏やかな時間が流れてました。
 
 
と。途中で子どもが、「僕もー!」と乱入。笑
小さな演奏家は、小さすぎてまだ何も弾けないけど、
いつかかっこいい草原のドンブラ弾きになるかも?!笑
 
 
特別に作られた音楽ではなく、
日常生活の中で、ただそこに在りそこで生まれた音。
いつでも、どこでも、なんとなく、音を奏でて、歌い、楽しむ人々。
 
 
こういう音この空間の中で聞けるって、
ある意味すっごい贅沢なんじゃないか?
と思ったりもして。
 
 
ドンブラの音きいていると、とっても心地いいです。

 

イヌワシ祭り二日目は、やっぱりイヌワシ呼びからはじまり、クズゴアルと呼ばれる競技(男女がそれぞれウマに乗って、女性が男性を追いかけ回すというもの)が行われ、そして、午後にこの日のメイン競技『ククパル』が行われました!
 

ククパルは、カザフの代表的な騎馬競技のひとつです。


 

ルールは、ヤギ(既に死んでいる)を馬上で引っ張り合い、奪い合うというもの。去年までは一対一で行われていました。一対一で行う場合は、ヤギを引っ張り合い奪った方が勝ちというルールでした。しかし、今年のイヌワシ祭りでは団体でのリーグ戦となり、去年までとは違う形で行われました!
 

リーグ戦はコート内で行われました。コートには、サッカーのコートのように、両端にそれぞれのゴールが設置されていて、ヤギを奪った人はウマに乗ったまま走り、敵のコートにヤギを投げ入れます。
 
 
 

10頭のウマに乗ったカザフ人男性達が、ウマに鞭を打ちまくり、ヤギを奪い合い、そして走る。。。当然、ウマが観客に突っ込むこともあるわけで、観客も注意してみてないと大変なことに!10頭のウマがものすごいスピードで自分のところに突っ込んでくるのって、かなり怖いです。。。
 

ちなみに、ククパル団体戦は、カザフスタンや他の中央アジア諸国ではよく行われているそうで、カザフスタンのTV放送でも、リーグ戦の様子が放映されています。
 

それにしても、すごい競技です。死んだヤギの重さは相当なものです。普通に持ち上げるのでさえ、かなりの重労働なのに、それを片手で引き上げ、ウマに乗ったまま引っぱりあうのですから、ククパルに参加するためには、バランス力、脚力、腕力、乗馬技術など、すべてにおいて高度なレベルが要求されます。カザフ人すごーーーーい。。。。。
 
 

砂埃舞う会場の中、ヤギを必死に奪い合うカザフ人の姿は本当にドラマチックでかっこよく、シャッターをたくさんたくさん切りました。(ちなみに、カメラのファインダーに集中しすぎて、逃げ遅れたお客さんもいました。。。)
 
 
こうして、今年のイヌワシ祭りも無事に終わりました。
来年もまた大盛り上がりすることでしょう!いまからかなーり楽しみです♪
この大会に参加した鷹匠の一部は、カザフスタンで11月末に行われるイヌワシ祭りにも参加するとのこと。うおー、観たいぞー。。。
 

 

 
今年のイヌワシ祭りでも、鷹匠さんたちの写真をたくさん撮影したので、一部をご紹介したいと思います。イヌワシ祭り初日、集まった60人弱の鷹匠さんたちの行進からはじまりました!
 
 
ずらりと並ぶウマ達の後ろから、ラクダもやってきました。あれ?子どもが乗っている。。。
 

 
こうやって運ばれていたということを見せるパフォーマンス。
私も乗ってみたい〜。
 
初日のプログラムは、競馬、イヌワシ呼び、コイン(印)拾い。
 
イヌワシ呼びでは、かっこいい鷹匠さんの写真がたくさん撮影できました!
 
 
こちらは、山の上から撮影した写真達。イヌワシが飛び立つ瞬間の撮影に挑戦しました。
 

 
この日は、風もそれほど強くなく、ほどほどに気温も低く、イヌワシが飛ぶ条件が揃っていました◎ 大半のイヌワシは問題なく飛んでくれたのですが、なかには、こんなイヌワシも。。。
 
 
ん?
 
 
下に人が集まっている??と思ったら、どうも赤い服を来ていた観光客のことを肉だと思ったイヌワシが、鷹匠ではなく、観光客めがけて攻撃したのです!!!ぎゃぁ!恐ろしい。。。
 
観光客は無事でしたが、カメラが破損したとか。可哀相に。
イヌワシ祭り観戦の際は、赤い服は危険です。
 
コイン拾いの方も、なかなか盛り上がりました!
 
 
騎乗したまま地上の印を拾い上げるというこの競技ですが、何度みても驚愕です。落ちる〜!と思うほどぎりぎりまで地上に接近しますが、落ちない。ものすごい脚力です。
 
 
お見事!ナイスキャッチ!
 
 
イヌワシ祭り初日の様子でした。二日目の様子については、また次回。
 
木, 10 10月 2013 10:13

おばちゃん達の闘い!

 

 

10月5日/6日は、バヤン•ウルギー県のイヌワシ祭りでした!
 
今年も沢山の人が集まりました(聞いた話によると約200人くらいとか)。
 
人が沢山集まるところに、出店あり。全部であわせて12軒のウイ食堂、そして、沢山のお土産品を売る人々で賑わっていました。
 
↑ずらーっと並ぶ出店たち。
 
今回は、この出店のおばちゃんたちの商売の様子をご紹介します。
 
普段、私に刺繍を教えて下さっている、アイナグルさんも出店者のひとり。
私は、今回のイヌワシ祭りでは、前日の夜からアイナさんにくっついてお手伝いをしていました。
 
↑この人がアイナグルさん。
 
祭り前日の夜20時、ご飯を食べ終わるとアイナさんとその友人アルマグルさんの二人はもくもくと売り物作りを開始しました。
 
 
↓アルマグルさんが作っているのはこちらの帽子。


モンゴルの「ローボーズ」と呼ばれる帽子です。
この帽子、2通りのかぶり方があり、さらに首に巻いてファー代わりにもできるなど、とっても便利です。上の写真の帽子は、彼女達の友人がウランバートルで80000tg(約5000円)で購入したもの。これを見本に、キツネの毛皮を使って作ります。
 
 
2時間近く縫って、完成!
 
↑こちら完成品!格安の35000tgで売りました。
 
アイナさんも、がんばります。古い刺繍布を利用して、オーナメント作り。
もちろん、一点一点手作業です。
 
 
他にも、刺繍布の裏地に新しい裏地をミシンで縫いつける作業や、新作刺繍ミトン作り、ミニマット作りなど、商品つくりは夜中の2時まで続きます。私も少しばかりですが、お手伝い。
 
↑ミシンに向かう二人
 
さぁ、いよいよお祭り本番!場所取りのために朝はやくに家を出ます。
会場につくとアイナさんたち、さっそく地面にシートをひいて、商品を並べ、売り出します!
 



 
 
一列に並ぶたくさんの出店たち。置いている商品は、わりとどこも同じようなものです。
鞄、刺繍布、絨毯、手織り紐、イヌワシの帽子、人間の帽子、服、ベルトなどの服飾品。
自分の商品をいかに多く売るか、おばちゃんたちの闘いが始まります。
 
私は接客ってほとんど経験がなく、お店のまわりでおたおたしていただけなのですが、彼女達は観光客に向かって超積極的に売り出しにかかります。その勢いのすごいこと。わずかに知っている英語と電卓を駆使して、アピールします!
 
 
実はアイナさん、サグサイ村のイヌワシ祭りの際は思うような結果を出せず。今回こそは!と気合いが入っていたのです。その甲斐あってか、今回は沢山のお客さんが来てくれました!
 
祭り初日が終わり、家にもどってからも、勿論すぐに商品作り。おばちゃん達、疲れた体をおしてがんばります。私は、特に何も手伝うことは出来ないけれど、横に座っているだけでも、色んなものつくりの様子が見れて、大変勉強になりました。
 
 
2日目が終った時には、もうへろへろ。みなさん、お疲れ様でした....
 
 
イヌワシ祭りの報告は次回!
今年もかっこいいおじ様を沢山撮影してきました♪
 
 

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